樹木系精油の特徴

樹木系の香りはモノテルペン炭化水素類のαピネンが多く含まれ、森林浴に近いリラックス作用とリフレッシュ作用を得ることができるとされています。

また、緑の香りに含まれる青葉アルコール、青葉アルデヒドの香りを嗅いでいると、疲労に伴い活動が下がってくる脳の前帯状皮質の活動が落ちにくくなることが実証されています。

園芸作業と疲労の関係を検証する実験においては、神経症症状の改善や緊張、不安、抑うつ感、疲労感などを減少させ、疲労度の指標となる唾液中のコルチゾール濃度は低下し、ストレスを緩和し、中枢性疲労の回復が認められました。

樹木系精油には、リラックス作用、抗菌・防カビ作用、防臭・消臭作用、防虫作用などがある成分が含まれていることがわかっています。

「植木屋あろま」の樹木たち

ギンバイカ 銀梅花

学名:Myrtus communis フトモモ科ギンバイカ属 常緑広葉樹

英名の「マートル」の方が馴染みがある方も多いと思います。純白で可憐な花が梅に似て、和名を「銀梅花(ギンバイカ)」といいます。イギリスでは「祝いの木」としてロイヤルウエディングブーケに使われます。原産地は地中海沿岸地域ですが、福岡県では植木としての栽培が30年ほど前から始まり、現在ではアロマ原料としての栽培も増えてきました。

ユーカリやティートリーと同じフトモモ科ですが、香りが穏やかで使いやすい精油です。

ケクロモジ 毛黒文字

学名: Lindera sericea クスノキ科クロモジ属 落葉広葉樹

全国の山地に自生しているクロモジ属は地域で種類が異なり、九州に自生するのは葉に産毛がある「ケクロモジ」です。高温多雨の九州に育つケクロモジは、強い日差しや雨から葉を守るために産毛ができたと思われます。

クロモジやオオバクロモジの精油はリナロールが主な成分ですが、植木屋あろまのケクロモジは10%未満で作用が穏やかで森林浴効果が高い酢酸ゲラニルやLリモネンなどの割合が多く、ブレンドしたような香りが特徴の精油です。

ウラジロモミ 裏白樅

学名:Abies homolepis マツ科モミ属 常緑針葉樹

葉の裏が白いことから「裏白樅」と名付けられた日本固有の常緑針葉樹です。Xmasツリーとして馴染みがある方も多いでしょう。

標高1000m以上の深山に自生する樹木で天然原料の入手は難しく、多様な植木を栽培する植木生産者ならではの精油と言えます。「植木屋あろま」の中では森林浴の香りの代表的存在です。

メラレウカ スノーインサマー

学名:Melaleuca linariifolia ‘Snow in Summer’  フトモモ科メラレウカ属 常緑樹

ティートリー(Melaleuca alternifolia)の園芸品種で‘スノーインサマー’という名にふさわしく、6月に雪をまとったように咲く白い花が印象的な樹木です。

精油はティートリーの薬のような香りではなく柑橘系の香りも感じるすっきりとしたイメージです。

ニオイコブシ‘ワダスメモリー’

学名:Magnolia salicifolia Wada’s Memory  モクレン科 モクレン属 落葉広葉樹

台杉(スギ)

学名:Cryptomeria japonica ヒノキ科スギ属 常緑針葉樹

台杉は京都の北山地域で磨き丸太や垂木丸太を生産するために室町時代から作られてきた仕立て方です。その独特の形状から庭木としても利用されています。スギといえば花粉症を連想する方も多いと思いますが、精油は花粉症とは関係ありませんのでご安心ください。

森林のスギと違って、その形状のおかげで全体に太陽光を受けて育った葉から抽出した精油はスッキリとした清涼感のある香りです。